HEAVEN ROAD
だ、だって……



もう一人の男がさっきの表情のまま、こっちを睨みつけているから。



左手で男の顔が視界に入らないように隠していないと、話すらまともにできない。



「痛いところとかない?」



「お陰さまで」



「そうか。良かった。良かった」



あたしが寝かされていたソファーとは別のソファーにドカッと腰を下ろした翔。



「頭気になるの?痛い?」



首を傾けながら可愛い瞳で見つめられたって……



「痛く…ないっす」



左側が固まって動かないんだよ。

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