HEAVEN ROAD
考えないようにして普通に過ごすしかない。



自分の中でそう結論が出た時、一時間目終了のチャイムが聞こえてきた。



ストーブのお陰で体はすっかりと暖まって、手のひらなんてじっとりと汗をかいている。



これ以上、ここを貸し切りにしてもらうのも気が引けたあたしはソファーから腰をあげた。



忘れるのはあたしの得意分野。



「よしっ!!」



気合いを入れて思い切り扉を押した。



「痛ってぇ~」



足下から声がする。



「誰だよ?」



「俺だ」
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