御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
1.
「ね、ランチ行こう」

「行きません」

「俺、奢るからさ」

「結構です」

「せっかく絶品のオムライス見つけたのに?」


‥‥絶品オムライス!?


ピタリと足を止めてしまった私の前に回り込んで自慢げな口調でもったいぶる。

「好きでしょ?オムライス。ね、行こうよ。香奈美さん、絶対気にいるからさ。だから、食べてるとこ見せてよ」

「‥‥行きませんっ!」



あえて視線を合わせて冷静に言い切って、歩き出す。


食べてるとこ見たいって、なんだよ!私は動物園の象かよっ!
心の中でツッコミ入れながらズンズンと歩いた。
< 1 / 148 >

この作品をシェア

pagetop