御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
12.
なんとか定時に仕事を終えてロッカーでファンデと口紅だけの簡単なメイク直しをしていると、背後に人影を感じた。
「あれ?メイクなんて直して、鈴木さんデートなの?坊っちゃまには近づかないようにって常務に釘さされたその日に?」
「やっぱり頭良い人って違うのよー。坊っちゃまに捨てられない、何か新しい方法見つけたんでしょ?すごいわ」
鏡越しに確認すると、総務部の女子社員が2人。何度も睨まれた事はあったけど、話しかけられたのは初めてだ。悪意しか感じないセリフを吐きながら、彼女達は笑顔を浮かべている。
すごいのは女狐って言葉が似合うあなた方のほうですよ。
心の中だけで返事をして、聞こえないフリをする。
この手の人には反応しないのが1番の反応だ。
すると、私が答えない事に苛立ったのか、1人が肩を掴んで引っ張った。
「あれ?メイクなんて直して、鈴木さんデートなの?坊っちゃまには近づかないようにって常務に釘さされたその日に?」
「やっぱり頭良い人って違うのよー。坊っちゃまに捨てられない、何か新しい方法見つけたんでしょ?すごいわ」
鏡越しに確認すると、総務部の女子社員が2人。何度も睨まれた事はあったけど、話しかけられたのは初めてだ。悪意しか感じないセリフを吐きながら、彼女達は笑顔を浮かべている。
すごいのは女狐って言葉が似合うあなた方のほうですよ。
心の中だけで返事をして、聞こえないフリをする。
この手の人には反応しないのが1番の反応だ。
すると、私が答えない事に苛立ったのか、1人が肩を掴んで引っ張った。