御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
「えっ!?なんで香奈美さんが振られるの?」
数秒間、お互いに驚いた表情のまま固まる。
「でも、でも待ち合わせの時から係長怖い顔してたじゃないですか!歩く時も並んで歩いてくれなかったし‥‥お店でも分からないって言われて。私、怖くて告白出来なかったです!凄く好きだって気付いて、今日絶対告白するって決めてたのに!」
一気に言い切って、泣き出しそうなのをみられないために下を向いた。
もぅ振るならこのまま振っちゃって欲しい。
衝撃に耐えられるように握りしめる両手に力をいれていると、大きな影に体ごと包まれた。
「それ、こないだの返事にしていい?」
いつもより少し低い艶めいた声が耳元で甘く響く。
「ダメって言われても、しちゃうけどね。こんな幸せな告白、最初で最期だから。なかったことになんかさせない」
抱きしめる腕の力が強くなって、わたしはもう些細な身じろぎさえも出来ない。甘くて強固な蜘蛛の糸に絡まったみたい。
数秒間、お互いに驚いた表情のまま固まる。
「でも、でも待ち合わせの時から係長怖い顔してたじゃないですか!歩く時も並んで歩いてくれなかったし‥‥お店でも分からないって言われて。私、怖くて告白出来なかったです!凄く好きだって気付いて、今日絶対告白するって決めてたのに!」
一気に言い切って、泣き出しそうなのをみられないために下を向いた。
もぅ振るならこのまま振っちゃって欲しい。
衝撃に耐えられるように握りしめる両手に力をいれていると、大きな影に体ごと包まれた。
「それ、こないだの返事にしていい?」
いつもより少し低い艶めいた声が耳元で甘く響く。
「ダメって言われても、しちゃうけどね。こんな幸せな告白、最初で最期だから。なかったことになんかさせない」
抱きしめる腕の力が強くなって、わたしはもう些細な身じろぎさえも出来ない。甘くて強固な蜘蛛の糸に絡まったみたい。