御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
「こんなに人を好きになれるなんて想像した事もなかったよ。もう香奈美がいない人生なんて考えられないくらい愛してる」



真っ直ぐで甘い、極上の告白。
私だってこんな幸せな告白なんて最初で最期だ。嬉しすぎて自然に涙が溢れてしまう。



係長を見つめたままコクンと頷くと、再びギュッと強く抱きしめられた。このまま1つに溶けちゃえばいいのに。

「このまま溶けて香奈美と一緒になれればいいのに。そしたら俺がどんなに香奈美が好きか分かってもらえるだろ」

考えた事は同じなのに。甘過ぎる言葉を呟きながら、私の髪にそっと口付ける係長は色気が溢れてて、私はもうどうしたらいいのか分からない。

「あ、でも溶け合ったらこんなこと出来ないか」

くすりと笑った係長は、屈みこんでそっと私に口付けた。

触れるだけのキスはお互いの熱を分け合って、角度を変えて繰り返される。何度も何度も、この幸せを確かめるように。
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