御曹司様のことなんて絶対好きにならない！

「鈴木さんと話すのって初めてだよね？もぅ何年も一緒に営業部にいるのに変な感じだけど」

ニコニコと話しかけられても、正直どう対応したらいいのか分からない。



確かに格好良い人だと思うし、そのスペックにキャアキャア言う女子社員の気持ちも理解出来る。
でも理解出来るだけだ。私自身にそういう気持ちはない。



微妙な表情で受け流す私に、さらに笑みを深めた坊っちゃまは突然爆弾を落とした。



「今度ご飯一緒に行こうよ。俺、鈴木さんが食べるのもっと見たいな」



その時の私の心情を素直に表せば「はぁぁぁっ！？」だ。全く意味が分からない。
上手く反応は出来なかったけど、とりあえず断らなければとブンブンと首を横に振った。

だが流石、優秀な営業マンの垣内係長はそれくらいではひるまない。