きもち
あの時も
放課後の中庭で、俺が練習をしているところにアイツは来た
まだまだ下手くそなヴァイオリンを
アイツは素敵だと言ってくれた
音楽なんかこれっぽっちもわからないアイツは目をキラキラさせて聴いていた
曲が終わるとアイツは急いで何処かへ行ってしまった
俺はヴァイオリンをケースにしまい帰り支度をする
俺が正門を出かけた所にアイツはまた来た
手には作りたてのクッキーが袋に入っていた
放課後、練習をしている時アイツは必ず聴いてくれて
曲が終わればいつもその日に作ったお菓子や小物をくれた
アイツは曲が終わると渡してくる