*短編*放課後、きみとわたし、おなじ赤。
ましてやわたし、女子だし。
なんでも話せる仲かって聞かれたら、ぶっちゃけ、そういうわけでもないし。
あんまり淡々と話すから、廣田はこういう話でも普通に話せる人なんだってちょっと思ってしまったけど、それはどうやら、わたしの勘違いだったらしい。
廣田の赤い耳たぶから彼の照れくさい気持ちが伝染してくるようで、なんだかわたしまで耳たぶが熱くなる。
こんな廣田は初めて見るからか、目のやり場にとても困る。
「つーかお前、ヘタすぎ。友だちが、なんて探り入れてきたけど、あれ嘘だろ。友だちだったらべつに、一線を引かれたような気持ちになったりショック受けたりしなくね?」
そんな中、ちらり、スマホの横から切れ長の目がわたしを捕えた。
前髪の奥に隠れていてもなお真っすぐに突き刺さってくるようなその瞳に、ぎくりとしたのと恥ずかしいのと、今までとは違う意味で耳たぶが急激に熱を帯びる。
なんでばれたの? ていうか、もしかして廣田はわたしが誰を好きかわかってる? いつから知ってた? ……って、考えすぎ?
頭の中をさまざまな憶測が飛び交い、なにを言っても墓穴を掘りそうで、なかなか声が出なかった。