*短編*放課後、きみとわたし、おなじ赤。
「じゃあ、遠慮なく言わせてもらうな」
「……う。は、はい……」
「アヤ、お前が好きだ」
同級生。クラスメイト。失恋相手の親友。
ついさっきまでは、ただの〝友だち待ち〟という共通点がときどき発生するだけの、ちょっと仲のいい男の子。
だけど、目の前の廣田がびっくりするくらい赤い顔で言うから。
そんな顔で真っ正面から告白されたわたしだって、びっくりするくらい顔が熱くなって。
「……おまっ、顔、赤すぎなんだって」
「ひ、廣田こそっ」
お互いに文句を言い合って、目を逸らして。
また、どちらからともなく目を合わせた。
廣田の顔が赤いのは、わたしのことが好きだから。
じゃあ、わたしの顔が赤いのは?
--その答えは、きっと、もうすぐそこにある。
*END*