カモフラージュ
お葬式の日。
千尋は、狂ったように泣いていた。
そこへ母の怒声が・・・
「いっぱい心配掛けて、いっぱい迷惑掛けて
今更泣くんじゃない!!!」
「だってー!」
千尋は、どうして泣いているのかも
分からない程、パニックになっていた。
「母さん」
兄が、優しい口調で母に声を掛けた。
「千尋が泣くとは思わなかったよ。
良かったなぁ、気づけて」
そう言って、千尋の頭を撫でてくれた。
「兄貴ー!グスッ」
「千尋ー!しっかりしなさい!!!」
でも、母の怒りは収まらない。
壊れてたあたしが
父を苦しめていたのかも知れない
だからこんなに早く・・・
母は、千尋が憎かったんだと思った。