カモフラージュ
「私は、千尋みたいに良い人じゃないから
1人だったら即効辞めてる。
でも、千尋に真由美さんがいたように
私には千尋がいてくれるから!」
「美月・・・嬉しいけど・・・
無理に付き合わせてる?ごめんね」
「違うよ!
私もこの仕事、初めてだったから不安で
駄目ならすぐに辞めようって思ってた。
ううん!
千尋が来なかったら辞めてたと思う。
でも、最初に、千尋の笑顔を見た時
この人となら、我慢出来る!頑張れる!
って、思ったんだ。
それに、お父さんと約束したじゃん
《最後まで面倒みる!》って・・・ね?」
毎日のように一緒にいるのに
そんな事言われた事が無かったので
嬉しい様な、恥ずかしい様な・・・
もしかして、美月は本当のあたしを
知っているのかもと思った。
「ありがとうぉぉぉ・・・美月」
少し、声が震えていた。