カモフラージュ
閉店が近づき、お客さんも少なくなったので
美月は、千尋が心配になって隣へ座った。
千尋は頬杖をついて
ずーーーと、川崎の顔を見ていたらしい
(あまり記憶が無い)
「あたし、好きなんですぅ」
え?・・・・・
川崎の表情。
「好きなんですぅ」
その後は、本当に記憶が無い。
美月は、千尋が髭フェチだと知っていたので
《髭がでしょ!》って言っても
《好きなんですぅ》を連発していたらしい。
川崎も最初は笑っていたけど
急に真面目な顔して言った。
「初めてこの店に来た時
俺、千尋ちゃんに一目惚れしたんだ!」
美月は、開いた口が塞がらない。
「そうなんだよー!
《行こう、行こう》って、煩いから
俺も付き合ってた。
俺は彼女に怒られるから隠れてね。
それがバレたのと
コイツが仕事変わって忙しかったから
来れなかったんだ」
イケメンが、面倒臭そうに説明した。