カモフラージュ
空が曇り始め、寒くなってきたので
帰る事にした。
「今度は、千尋ちゃんの行きたい所へ行こう
何処か考えといて」
「今度があるんですか?」
千尋は驚いて尋ねた。
「あ、駄目?」
彼は、不安げな顔で聞き返す。
その顔無理!
心のど真ん中!!
ストライクだよ!!!
「あたしは・・・」
好きです!
って言いそうになったので、窓に目を向け
口を閉じた。
まだ、彼の事を良く知らないのに
軽い女だと思われたくなかった。
「じゃあ、また
千尋ちゃんが気が向いたら連絡して。
俺は、水曜か木曜日の休みが多いから」
「はい、分かりました」
「俺には、敬語使わなくても良いよ」
彼の言葉が嬉しくて、急に親近感が湧いた。