カモフラージュ
「千尋ぉぉぉ」
マスターが、すがり付くように言った。
「私は、千尋とは考え方が違います。
不倫が嫌とか、尊敬出来ないからとは
思いません。
でも、千尋が辞めるのなら私も残りません。
自身が無いです」
美月の素直な気持ちだろう
マスターと純ちゃんは顔を見合わせ
大きく息を吐いた。
「俺は・・・
取り返しのつかない事をしてしまった。
本当に申し訳なかった」
マスターの声が震えていた。
「マスター、安心してください。
今年いっぱいはいますので
それまでに新しい女の子を探して下さい」
美月が驚きの表情を浮かべた。
「千尋、大丈夫?」
「あたしも、そんなに鬼じゃないよ!
今2人が辞めたら、やって行けないでしょ?
アハ!ごめんね、美月も我慢出来るよね?」
笑ってみせると、頷いてくれた。