カモフラージュ

「千尋ぉぉぉ」


マスターが、すがり付くように言った。


「私は、千尋とは考え方が違います。

 不倫が嫌とか、尊敬出来ないからとは

 思いません。

でも、千尋が辞めるのなら私も残りません。

 自身が無いです」



美月の素直な気持ちだろう



マスターと純ちゃんは顔を見合わせ


大きく息を吐いた。


「俺は・・・  

  取り返しのつかない事をしてしまった。

            本当に申し訳なかった」


マスターの声が震えていた。


「マスター、安心してください。

 今年いっぱいはいますので

 それまでに新しい女の子を探して下さい」


美月が驚きの表情を浮かべた。


「千尋、大丈夫?」


「あたしも、そんなに鬼じゃないよ!

 今2人が辞めたら、やって行けないでしょ?

アハ!ごめんね、美月も我慢出来るよね?」


笑ってみせると、頷いてくれた。




< 161 / 325 >

この作品をシェア

pagetop