カモフラージュ
待ち合わせの日。
和馬は駐車場で待っていてくれた。
真由美さんが辞めてからは
店に来る事も無くなっていた。
「すいません、忙しいのに」
軽くお辞儀をした。
「ヒロが困ってる時は
いつでも駆け付けるよ!」
いつもの笑顔をみせてくれた。
「でも、店には来てくれない」
ちょっと拗ねてる。
「ヒロのお客さんとして行くのは・・・」
「そうですね、複雑です」
千尋は、暗い表情になった。
「そんな顔しない!
それで、何があったの?」
言葉を選びながら、和馬に話した。
「真由美には言わないでおこう。
あまりにも残酷過ぎる!
でも、ヒロらしいね?
《尊敬出来ない上司は要らない!》って
相当、堪えてると思うよ?
俺も、言われないように頑張ろう!」
「大丈夫ですよ!カズは優しいから!」
和馬がフフ!と笑った。