カモフラージュ
千尋も、黙ったまま
涙が流れないように上を向いた。
和馬が、窓を開けると白い息が舞った。
冷たい空気が車内に広がり
寂しい風が2人を包んだ。
「わがまま言って良いですか?
それでも・・・
今までみたいに傍にいてくれますか?」
涙声で、問い掛けた。
「ヒロ・・・
俺は耐えられないって・・・」
和馬の声も震えていた。
「そんなぁ・・・」
「俺は彼女にしてあげられない。
でも、ヒロが大切で・・・
だから、彼はつくって欲しくないんだ。
ごめん、俺の方がわがままだね?」
「でも、付き合ってる訳じゃなくて・・・」
沈黙。
「あたしも、カズは大切な人です。
だから・・・」
「ヒロ・・・ごめん・・・」
そして・・・・・・
さよならって・・・・・・