カモフラージュ
聖菜は、意味深な笑い方をした。
「初めて好きになった人を
そう簡単に諦められるぅ?」
「無理っ!
でも・・・どうしようもないものぉ」
「千尋の事、誰よりも知ってるよ!
強がりなのも、素直じゃないのも
可愛くないのも、諦めが悪いのも・・・
覚悟は出来てる?」
「どうして、そんな事聞くの?
もう、会う事も無いし」
もう、会えない・・・
「その覚悟も出来てるんだね?」
思わず聖菜に抱きついて、また泣いた。
「大丈夫ぅぅぅ」
「だったら、誰も悲しまない!
千尋以外は・・・」
「うん」
「でも、千尋って
どこかでお父さんを求めてるんだね?
だから、そうゆう人を好きになるんだよ!
家庭の匂いがするとか・・・
優しく笑ってくれる人に惹かれるみたいな」
「そうなのかなぁ」
父を?
どうだろう・・・