カモフラージュ
ワッキーは、言い聞かすように口を開いた。
「俺は、賛成も反対もしない。
好きな人と一緒にいたいならいればいい。
でも、もし、子供の病気が悪くなったり
奥さんとの仲が元に戻ったりした時に
千尋の居場所が無くなるよ!
その時、意地になっても仕方ない・・・
分かるよな?」
「分かるよ!ありがと!
真剣に考えてくれて。
美月とワッキーに反対されたら
どうしようかと思ってた。
どっちか手放す事になったら・・・」
千尋は、込み上げるものを抑えた。
「でも、お金が無いと困るでしょ?」
美月の素朴な疑問。
「うん。
病院代が払えなくて、借金してるらしい。
でも、仕方ないよ!」
そんな事は、気にしてない
「店には来る?」
「ううん。
高いから来れないし!
駐車場に迎えに来てくれる事はあるけど
店の名前は教えてない」
仕事してるトコを見られたくない!
シュンには、そう思った。