カモフラージュ
隼介も、自分では出来ないから
《ありがとう》って言ってくれると
愛おしくて堪らなくなった。
私は、この人を愛してると思った。
抱きしめて欲しい、抱かれたいって思った
って。
「そして、俺が言ったんだ!
抱いてやれよって・・・
彼女も一生懸命だったんだ。
看病するのは、楽じゃない!
それを、文句1つ言わずにしてたから」
「・・・」
何を言えば良いの?
あたしに言える事なんて無いじゃん!
「千尋ちゃん・・・」
「・・・それが夫婦なんだぁ・・・
それが結婚なんだね?」
「その時、1回だけだと・・・
でも、それも運命なのかと思ったよ」
運命?
重い言葉。。。
「そうかも・・・
あたしと別れられる様に・・・
神様には、逆らえないよね?!」
苦笑いするしか出来なかった。