カモフラージュ
高速道路は、深夜だから車も少ない。
トラックの音も煩くて
話声が聞こえ難いので、眠気が襲ってきた。
「千尋?」
手を握っても反応が無い。
「寝ちゃったか・・・
次のパーキングで寝るかぁ」
シュンも少し眠くなり、トラックを止めた。
プシュー!
シュー!シュー!
大きな排気ブレーキの音で
千尋は目が覚めた。
「起きた?ごめん、大きな音がするんだ」
「ん、ん、何処?」
両手を広げて伸びをした。
「パーキング、目的地はまだ遠いよ」
周りを見渡すと、同じようなトラックが
たくさん止まっていた。
「トイレ?」
「ううん、此処で寝るの」
シートベルトを外し、靴を脱いだ。
ウ~ン!
シュンも大きく伸びをして、首を鳴らした。