カモフラージュ
トラックに乗り込み、次の目的地へ。
「千尋・・・辛い思いさせて・・・ごめん」
「大丈夫、もう、落ち着いた。
ちょっと、ビックリしただけ」
自分の言葉に驚いた
シュンの前では、強がったりしない!
素直な自分でいられたのに
でも・・・
無意識だった
壁を作ってしまった
あたしの中で、何かが変わった!
「言い訳して良い?」
「良いよ」
「娘に、言われたんだ。
《何処にも連れて行ってもらってない》って
病気だったのもあるけど、本当何処にも。
だから、行く先々で、デジカメ撮って
見せてあげてたんだ。
それで、大きな観覧車の写真が気に入って
《見に行きたい》って言われて・・・
それが、この近くにあるんだ。
身体は落ち着いて心配ないけど
娘だけって訳には・・・
だから、嫁さんも一緒に来てたんだ」
シュンは、不安そうな表情をしていた。