カモフラージュ

数日後。


でも、本当は笑ってなんかなかった!



「美月、あたしのライター知らない?」


「知らない。

     家に忘れたんじゃないの?」


「ううん、此処に置いたんだけどなぁ」


千尋はカウンターの中で床に手をついて


探していた。


「痛いーーー!」


純ちゃんにピンヒールで踏まれた。


「千尋、どうしたの?」


遠くから美月の声。


「小指が・・・痛い・・・」


「あぁごめん。

      踏んじゃったぁ、何してるの?」


「ライターが無くなったんだって」


美月も、引き出しを開けたり棚を覗いたり・・・


「今日、持ってたっけ?」


純ちゃんは興味もないらしく


それだけ言うと、帰り仕度を始めた。




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