カモフラージュ
「じゃあ、またね」
「はい」
千尋は振り返らず
何事も無かったかのように店へ戻った。
たくさんの人にお祝いしてもらって
凄く幸せな誕生日でした。
でも、アキラは来てない。
< 嫉妬に狂いそうになるから
やっぱり行かない!
家で待ってるから電話して!>
のメールは来ていた。
「終わったよ!」
「駐車場で待ってる」
電話を切り、急いで駐車場へ向かった。
車を見つけ、助手席へ乗り込む。
「聞いて!聞いて!お祝いしてもらったぁ!」
嬉しくておしゃべりになっていた。
「やっぱり、行かなくて良かった。
誰か1人位殴ってたかも・・・」
握り拳を作って、怒りを抑えている。
「まあ、ヤキモチですか~?」
すると、無言で走り出しホテル街へ。
予想してた展開だから何も言わない