カモフラージュ
動揺を隠し、美月に目配せをする。
でも・・・気づいてない
「どうする?今日買う?折角だから
社長さんに見てもらえば良いと思わない?」
美月は凄いはしゃいでいる。
「それは駄目でしょ?美月」
千尋は、ね!と目で訴えてみた。
「駄目ですかぁ?」
美月が上目遣いで和馬を見る。
「向こうの会社に行く事になってるから
あまり時間が無いけど、少しなら」
「すいません!お願いします~」
嬉しそうに、和馬の腕に手をまわした。
たぶん、無意識。
「素人なので、そんなに高くなくても
良いですよねぇ?」
甘えた声、これも無意識。
「そうだね、セットになってる物があるから
それで十分だと思うよ。
上手くなってから
1本ずつ買い換えていけば良いと思うけど」
「だって千尋!セットを買おうよ!」
千尋は2人の腕が気になって・・・
だから、話が見えなくて曖昧な返事。