カモフラージュ
千尋は口を尖らせた。
「いいえ!本当にいいです!
自分で買いますから!」
「すいません、社長さん」
美月が誤り、ペコリと頭を下げた。
会計を済ませ
和馬の顔も見ずにお礼を言い、店を出た。
でも、ムキになってしまった事を
誤れなかった事が気になって、少し凹んだ。
美月と千尋はとても気が合う。
でも、最大の違いは、甘え上手と甘え下手。
美月は、お客さんと同伴した時などに
時々おねだりして、物を買って貰っていた。
《男だからね、身体目的の人もいるよ》
と言っても、危なくない人を選んでるから
大丈夫!と、余裕で言う。
それが悪いとは言わないけど
千尋にはマネ出来ない。
どうしても罪悪感みたいな感じと
後で《買ってやった!》と言われたくないから
出来ない。