カモフラージュ
泡沫
今日は珍しく、和馬が1人で来た。
千尋は《いらっしゃいませ》と
遠くからお辞儀をした。
美月は素早く目の前に行って、声を掛ける。
「いらっしゃいませ。
先日は、ありがとうございました」
真由美さんは不思議そう。
「俺の店で・・・お客さんかな?!」
「そうなの、偶然ね」
「いいえ~、偶然じゃないかも~?
何か始まる予感がするんですけどぉ?」
美月は語尾が伸びてる。
「フフッ!美月の頭の中が見えたわ!
でも、和馬さんは浮気はしないわよ!」
「分からないですよ~?」
美月は、真由美さんに横目で視線を送る。
「和馬さんの奥さんと私は友達で
お互いを尊重しあってて・・・
私から見れば理想の夫婦ね!」
「えぇ、何だぁ!残念!なんてね。
冗談ですよ、社長さんの笑った顔が
可愛いなぁと思っただけです!」
平然とした顔の美月。