カモフラージュ

和馬は、申し訳なさそうに口を開いた。


「ごめんね・・・本当に泣かす・・・」


その言葉を遮った。


「分かってます!

 ありがとうございました。

 社長さんと話が出来て嬉しかったです。

 ずっと、気になってましたから・・・」


「俺も気になってた・・・君が」


和馬が真剣な顔で、こっちを向いたので


視線が合った。


そして、そっと、優しく、頬にキスされた。


「ぁっ」


小さく声が漏れた。


「ごめん・・・

    あまりにも可愛かったら・・・ごめんね」
  

和馬はさっと前を向いて、表情を隠した。


「いえ。

 あのー、また誘って下さい。

 社長さんといると安心出来るから!

 それと、たくさん話も聞きたいです!」


「良いのぉ?」


和馬の声が、少し高くなった。


「はい!」


千尋も、声が高くなった。




< 89 / 325 >

この作品をシェア

pagetop