朱鷺鉦学園の事情。
ここは教室。クラスメートは帰ったけど、まだ校舎内にいないとは限らない。今の話を聞かれてたらめんどくさい。




「じゃあ僕もこれで失礼するね。さようなら」





嵐のようなやつだ。勝手に入ってきて急にいなくなる……




なんて考えていたら、先生が呟くように私に言った。


「さ、斉藤…」




「何ですか?先生」



なんだ?
お礼でも言われるのかな?と思ったけど、どうも違うようだ。





顔を赤くして私の方に歩いてくる。まるで鬼の様だった。





「俺は……俺は、助けてくれなんて頼んでないぞ!」




「えぇ、そうですよ?私も先生に助けて欲しいなんて言われてませんもん。」






「ならば、何故俺のことを助けた!





同情のつもりか!?要らん事をしやがって……。





はぁ……計画が台無しだ。」
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