今宵、ホテルの片隅で。
ホテル併設のレストランへ向かい、フレンチを食べながら向かい合わせに座った夏野くんの顔をみる。
爽やかな顔の間に艶やかな男の顔を覗かせていた。
「これでお礼も済んだことだから」
と、レストランの出入り口で解散しようとした。
「まだディナータイムですから」
と、わたしの手をひいてズカズカと部屋に入り込み、ソファに長い足を組んで腰掛けた。
呆れてわたしは入り口に立ち尽くす。
「オレじゃダメですかね? 冬子さんの彼氏に」
「冬子さんだなんて。冗談いわないでよ。さっきワインたくさん飲んで酔ってるんじゃないの」
「オレが気持ちをさらけ出せばいいんですよね」
晴樹くんは立ち上がり、わたしの手を強引にとると、ベッドの縁に座らせた。
「ずっとみてきましたよ。早くオレの手で冬子さんが咲いてくれないかなって」
ぐいっとわたしのあごを長い指でもちあげた。
「じゃあ、冬子さん、僕に嫌なことつぶやいてくださいよ」
「夏野くんのことなんか好きじゃない」
と、続けようとした途端、夏野くんの唇がわたしの唇をとらえた。
「好きになるまでやめませんから」
今夜どこかの部屋で元カレが奥さんと幸せなときを過ごしている。
でももう関係ない。
キスで恋愛に対する凍った心が溶かされた気がした。
爽やかな顔の間に艶やかな男の顔を覗かせていた。
「これでお礼も済んだことだから」
と、レストランの出入り口で解散しようとした。
「まだディナータイムですから」
と、わたしの手をひいてズカズカと部屋に入り込み、ソファに長い足を組んで腰掛けた。
呆れてわたしは入り口に立ち尽くす。
「オレじゃダメですかね? 冬子さんの彼氏に」
「冬子さんだなんて。冗談いわないでよ。さっきワインたくさん飲んで酔ってるんじゃないの」
「オレが気持ちをさらけ出せばいいんですよね」
晴樹くんは立ち上がり、わたしの手を強引にとると、ベッドの縁に座らせた。
「ずっとみてきましたよ。早くオレの手で冬子さんが咲いてくれないかなって」
ぐいっとわたしのあごを長い指でもちあげた。
「じゃあ、冬子さん、僕に嫌なことつぶやいてくださいよ」
「夏野くんのことなんか好きじゃない」
と、続けようとした途端、夏野くんの唇がわたしの唇をとらえた。
「好きになるまでやめませんから」
今夜どこかの部屋で元カレが奥さんと幸せなときを過ごしている。
でももう関係ない。
キスで恋愛に対する凍った心が溶かされた気がした。