天の川の未来
一方の未来

1

視界が開けていく。正四角形で区切られた真っ白な天井が目に映った。

━━ここは何処だ?

自分の部屋ではない。

ツンと鼻を刺激する薬品の匂いがする。

辺りを見回すと、無機質な医療器具が手の届きそうな場所に置かれており、ここが病室であることを認識させられた。

また、俺は倒れてしまったのか。

意識が朦朧としているなか、それを感じることが出来た。

一呼吸置いて起き上がる。

…ズキッ

思わず顔をしかめた。

頭痛がする。身体の節々がズキズキと痛む。首が重たい。息が苦しい。徐々に増していくそれは、吐き気を誘った。

手の平をおでこに張り付ける。そうすることで、吐き気が治まるような気がした。

その手から伸びている無数の管が視界に入る。

━━何だこれ。

以前、病室に居たとき、こんなものは無かったはずだ。だが何処かで見たことがある。

「てん、て…き……?」

点滴。目覚めてからの第一声。聞き慣れた自分の声が発せられる。
< 10 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop