L'eau, je suis important...







「忠告ありがとな。
今年は俺も本気だから。」




「おぉ、そうか。
本気の髙野とは珍しい。この貴重な機会、こちらも本気で行かせていただきますよ!」




「おぉ!かかってこい!」






―On your mark!



張り詰めた空気と緊張感。




―Set!



短い時間が長く感じる。




バンっ




スターターの合図で一気に加速していく。



風を切るこの感じ。




あぁ、いいなぁ。




走りの楽しさを肌で感じていると、足音が聞こえた。



勘だが、これはきっと春川だ。




春川は俺の横にきて少しにやっと笑った。




負けてたまるか!




抜いては抜かれを繰り返し、




最終的にゴールテープを切ったのは俺だった。








< 105 / 359 >

この作品をシェア

pagetop