L'eau, je suis important...
「忠告ありがとな。
今年は俺も本気だから。」
「おぉ、そうか。
本気の髙野とは珍しい。この貴重な機会、こちらも本気で行かせていただきますよ!」
「おぉ!かかってこい!」
―On your mark!
張り詰めた空気と緊張感。
―Set!
短い時間が長く感じる。
バンっ
スターターの合図で一気に加速していく。
風を切るこの感じ。
あぁ、いいなぁ。
走りの楽しさを肌で感じていると、足音が聞こえた。
勘だが、これはきっと春川だ。
春川は俺の横にきて少しにやっと笑った。
負けてたまるか!
抜いては抜かれを繰り返し、
最終的にゴールテープを切ったのは俺だった。