L'eau, je suis important...






「いてぇーよ!」




叩いてくる玲に少し強く言うと、叩くのをやめてくれた。




「けど、珍しいな!
悠太が本気になるなんて。
いや、スポーツ系で本気になったのは、初めてじゃないか!?」




「あぁ。そうだな。
もう大分スポーツで本気なんか出してねぇよ。」




ふと思うと、本気でスポーツをやったのは、いつぶりだろうか…




まだお父さんがいた時だろうか…



小学生で本気になったことはあっただろうか…




「じゃあ、俺は悠太の本気を見た貴重な人物ってわけだな!
まぁ、それを引き出したのが僕じゃないのが残念だけど…」





最後になにか言わなかったか?
ボソボソ言っていて、聞こえなかった。




「貴重でもねぇーよ!
さっき最後になにか言ったか?よく聞こえなかったんだが…。」





少し気まずそうにしていた玲がホッとしたような顔になった。




俺に聞かれたくなかったのか?








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