L'eau, je suis important...
200m走が終わり応援席に向かう途中で、かなりの数の女子とすれ違った。
「奏多くん、200mで1位だったらしいよ〜!」
「やっぱりすごいね!
炎龍の皆さんって運動神経かなりいいらしいからね!」
通り過ぎるときにたまたま会話が聞こえてくる。
大半の会話が佐々木の話だった。
俺は全然気づかなかったが、後ろの組に炎龍の佐々木がいて、走ったらしい。
オレンジのクソ目立つ髪色のやつな。
そんだけ目立つ髪色で、存在感で、気づかない俺ってやばいのかもな…。
そいつも1位だったらしいな。
やっぱり喧嘩ができると運動もできるのか…?
いや、運動ができるから喧嘩ができるのか。
考えていると応援席についた。
「悠太!お疲れ!」
帰ってきた俺に玲がいち早く気づいて、声をかけてくれた。
「おぉ!髙野お疲れ!
100も200も1位とかお前すごいな!!」
クラスの奴らも褒めてくれた。
「おぅ!ありがとな!」
思わず口元が緩んだ。
「お!
髙野が笑うなんてレアだな!」
周りもワイワイして、俺を囲う感じになった。
クラスの奴らも笑顔で、クラス全員で作った旗が風になびいていた。