L'eau, je suis important...





パタパタと走っていく山本の後ろ姿を見ながら、壁に寄りかかって、ズルズルと下に落ちていった。



「はぁー…初恋にして失恋か…
思ったよりきっついなぁ…」




**



応援席に戻るとすぐに座っている玲を見つけた。



「おいー!悠太どこに行ってたんだよ!」



靴紐を結びつつも、少しふざけ気味に絡んでくる玲。


今はそんな気分じゃねー…



「ちょっとな」


「なんか落ち込んのか?」


「あぁ…ちょっとな」



「んっとまー、今から僕の3000だから、応援して!
ま!悠太の応援がなくても余裕で1位とれちゃうけどね~」


明るく振る舞って、俺が何も考えなくていいようにしてくれて。


やっぱいいやつだな、玲は。


テントから出ていくときに、俺の肩にポンと手をおいて、


「あとから話聞くから」


そう耳元で囁いていった。


本当にありがとな。玲。
なかなか本人には言えないけど。




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