L'eau, je suis important...
『一番前に出てしまうと、自分で走るペース作らないといけないから大変なんだよね〜
今の3年生はずば抜けて速いから、ペース合わせて、最後らへんに抜くほうが1位になれる可能性が高いってこと!』
なるほどな〜
1位になれる可能性が高い方法で走ったということだったのか。
『ま、でも今回はラストスパートをかけるタイミングが遅くて2位だったけどな…』
明るく言う玲だが、悔しいという感情が少しだけ感じられた。
玲はきっとなんとも思ってないと思うが、3年にまぎれて、2位はすごいと思う。
玲は悔しいと思っているし、俺がすごいといったところで、玲の感情が落ち着くわけでもないけど、俺から一言言わせてもらう。
『玲、俺は体力もないから3年と一緒に走って2位ってすごいと思う。
上からになるが、来年は絶対1位取れよ!!!』
俺の言葉に少し驚き、フッと笑った。
『もちろん!』
**
玲は相変わらず、3位のポジションにいる。
今回は一周(400m)くらいで1位になって、大差をつけると言っていた。
玲が俺らの応援席の近くに来たので
「れい〜!!!!!頑張れ〜!!!」
メガホンを持って、今までに出したことのないようなボリュームで応援をする。
俺の言葉に口角をあげて、スピードを上げた。
そして、2位になり、1位の後ろにピッタリとついた。