L'eau, je suis important...
「悠太は恋愛したことないと思うし、わかんないのかもしれないけど、好きな人を忘れるなんてそう簡単なことじゃない。大前提として、相手の幸せを考えるなんてよっぽど心が広くないとできないことだよ。」
わかった?と言葉を続け、悠太を見た。
「簡単、じゃないけど、忘れることはできるんだよな?」
僕が少しウッとなったのを見て、悠太がニヤリと笑った。
「確かに出来ないわけではないよ。
でも大半の人が忘れるためには“キッカケ”が必要だと思うよ。
ま、それで忘れられない人もいるけどね〜」
「“キッカケ”?
それはどういうふうな?」
「うーん
それに至っては本当に人それぞれだけどね…。
案外告白して振ってもらうっていうのが多いんじゃないかな?」
顎に手を当てながら答えた。
「告白!?
振られるってわかってるやつがか!?」
悠太は相当驚いたようで、勢い良く聞いてきた。
「うん、もちろん!
振られて、次の恋を探すって感じかな〜」
「へ〜
わかんねぇーなー…」
本気で考え込み、難しい顔をし始めた。