L'eau, je suis important...
「あ、ごめんね。待ってもらって。
さっき呼び止めた理由だけど、」
女から俺に向き直って、話すコイツ。
後ろには、女が見えるんだが、
なにか言いたげな感じ。
「あ?ちょっと待て。それは聞きたいけど。
先に話をすませる。
女。コイツに何か言いんたいんじゃねーの?」
顎でコイツを指しながら言う。
「え?さっきの女の子?
どこか行ったんじゃないの?」
そして、そっちを向くコイツ。
「あ!あの!
先程は助けていただき、ありがとうございました!
助けていただいたのに、お礼を言えてなかったので……」
ボソボソしゃべる女。
「んーん!全然だよ!
怖い思いさせてごめんね?」
ニコッと微笑むコイツに
更に顔を真っ赤にする女。
あ、これは惚れたな。
「じゃあ、僕はこのお兄さんと話すから、
またこんなことにならないように気をつけなよ?」
「は、はい!ありがとうございました!」
「ばいばーい」
ヒラヒラと手をふるコイツ。