L'eau, je suis important...
「さー、悠太〜
そろそろ行くかー!」
玲が立ち上がり、伸びをしながら言った。
「おう!頑張ろうぜ!」
お互いに拳を突き出し、コツンと合わせた。
「では、次に2年生の入場でーす!」
アナウンスが聞こえ、3年がぞろぞろと動き出した。
「では、各チームの1走とアンカーの選手紹介をします。
赤団Aチーム____」
選手紹介が終わる頃には俺らももう並んでいた。
俺の前には、山本がいる。
俺、山本、玲は同じAチームになった。
玲は1走でスタートダッシュを決める。
俺は山本からもらったバトンで1位でゴールテープを切る。
「ねぇ、髙野くん。」
突然山本が振り返り、俺の名前を呼んだ。
いつもより速い鼓動。
「ん?どうした?」
山本への気持ちを自覚して、少し俺に変化が出てきた気がする。
変に意識してしまうというかなんというか…。