L'eau, je suis important...






「ハチマキ…交換してくれない?」



ハチマキ…?

全員各団のハチマキをつけているわけだが、なぜ?交換?



「あのね、私上がり症なの…。
それに足も速くなし…。みんなの足を引っ張りたくないから、少しでも速く走れるように、お守り!」


Aチームにいる時点で遅いわけはないだろ?


でも上がり症なのか…。

上がり症ってあれだよな、緊張しやすくて、赤面したりするってやつ。




「お守り…?」



「髙野くんは足速いでしょ?
だから髙野くんのハチマキつけたらいつもより速く走れる気がして、ダメ…かな?」



上目遣いで不安そうに聞いてきた。


っ。好きなやつにこんなことされて正常でいれるやつのほうがおかしいよな。


俺の答えはもちろんYESだ。



「おぅ!いいぜ、交換しよう」



シュルッと音を立て、ハチマキを外し、山本に差し出した。



「もう一個お願いしていい…?」


お願い?


「おう!俺にできることなら」


「髙野くんにつけてほしい…。
私が髙野くんのつけるから……」


俺が、山本にハチマキをつける!?

俺大丈夫か…!?
必要以上に触ってしまいそうな自分が怖い。


でも断ったら泣いてしまいそうな表情で見られるとな…。






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