L'eau, je suis important...
「炎龍にね、姫ができたんだって。」
姫は、総長の彼女であり、その族が守るべき人。
は!?姫!?
やっぱりあの昼間のときは女に会いに来てたのか!?
「んで?女子はちょっとキレぎみなのか?」
少し怒りをあらわにした女子とソワソワした男子。
「そうそう。今キレてる子は、炎龍にバレなきゃいいけどね。」
「なんでだ?
バレたらどうかなるのか?」
「確実に潰されるね。」
“潰す”。
その言葉を言った玲が見たことのない黒い雰囲気をまとった。
でもそれは、次の言葉になるときれいに消えて。
それが逆怖く感じた。
「男子がソワソワしてるのは?」
「それはわかんない!野郎のことなんか考えたくないしね♪」
笑顔で毒を吐く。
今日はなんかあったのか?
機嫌が悪いときじゃないと毒を吐かないからな。
舞羽のところに少し避難するか。
「玲。ちょっと舞羽のところ行ってくるな。」
「“舞羽”?」
ニヤニヤしている玲。
「うっせ!」