L'eau, je suis important...
悠太の帰省
舞羽との登下校が習慣になった頃の金曜日。
俺はあるマンションの最上階にいた。
この階は一つの扉しかない。
よくある金持ちの家って感じ。
ピーンポーン
インターフォンを押すとすぐに女の人が出てきた。
「あら!悠太くん!今日は早いのね!
あがってあがって!」
そう言われるまま、部屋に上がった。
リビングに入ると、男の人が座っていた。
大﨑龍(Ohsaki Ryu)さん。
俺を家政夫として雇ってくれている優しい人。
そして、妻の麗華(Reika)さん。
勘のいいやつは気づいているかもしれないが、大﨑涼太の親だ。
「おぉ!悠太。
今日は金曜から来てくれたんだな!」
金曜の学校終わりまたは、土曜の朝に来るように言われいる。
日曜まで住み込みで働いて、月曜はこの家から通っていた。
「はい。
あのすいません。今回は日曜の夜には帰りたくて…。」
「おぉ。そうなのか!
全然構わんぞ!」
龍さんはとにかく優しい。
仕事は、ホテル業をしていて、ホテル業界に顔のきくお偉いさんらしい。