L'eau, je suis important...

プール





“明後日”というのは案外すぐにやってるくもんで、ついに今日がやってきた。


行き先は、最近できたと話題になった(らしい)ひと駅先のプール。



駅前の時計台を目印に集合場所にした。


かなり楽しみだった俺は、15分前に時計台で待っていた。


壁に背を預け、スマホをいじっていると知らない男から声をかけられた。



「あの〜すいません
僕こういうものなんですが、モデルに興味ありませんか?」


スーツを着た営業をやってそうな爽やかな男が名刺を差し出しながらそういった。



「モデル?
すいませんが、興味ないっすね」


いつもだったら“興味ない”とバッサリ切り捨てているところだが、相手は年上。

敬語と言えるかわからないが、俺の中で敬語のつもりだ。



「そっか〜残念…。でも、これは持ってて!
もし興味があったらここの電話番号にかけてきてね!」


俺が名刺を受け取ると、そう言って、どこかへ消えていった。


それから数分後…。


「お待たせ〜!待った?」


肩出しの白のワンピースを身に纏った舞羽が上目遣いで聞いてきた。



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