L'eau, je suis important...
ロッカーあたりで混雑して遅くなっちまった。
小走りで舞羽のところへ向かうと、やっぱり、男に絡まれていた。
オフショルダーの白のビキニを見にまとった舞羽がオドオドしていた。
「ねぇ、お姉ちゃん!
あっちでかき氷でも食べない?」
男は舞羽に更に近づいた。
「え、いや、あの…。私連れがいて…。」
それに舞羽は困ったように対応した。
「じゃあ、その子も一緒でいいから!」
あぁ、なに囲まれてんだよ!
俺もまだ水着姿ちゃんと見てねぇのに!
「もしもーし!その連れだけど?
俺らにかき氷奢ってくれんの?」
割り込んで、舞羽を隠すように前に立つ。
「チっ。彼氏連れかよ。
おい、行くぞ!」
そそくさと逃げようとした男たちを呼び止めて、満面の笑みで
「次はねぇからな?」
そう言うと、“ヒィ”と情けない声を出して、逃げていった。