L'eau, je suis important...
プロローグ
ピッ
静かなこの空間に、響く無機質な音。
響くのはきっと、物音一つしないこの空間のせい。
『〇×市の中学校で屋上から転落死した事故ですが
生徒のノートからいじめを受けていることが
つづられていました。―――――』
ザザー
『せんせい!ゆうたくんの目
―――――――よ!?』
ザザ―
砂嵐のような音ともに脳内を駆け巡る‘キオク’
チッ。嫌なこと思い出しちまった。
俺は、髙野悠太(Takano Yuta)。
ストレートのかなり明るめの茶髪で
毛先の方は金髪と言ったほうがいいかもな。
そんな前髪のせいで
右目が隠れている。
唯一見える左目は、青でかなり明るめ。
これは親父の遺伝子だと思う。
そして、藍華(Ranka)高等学校に通う3年生だ。
藍華高校は、一言でいえば不良校。
まぁでも、今はまだマシな方。