L'eau, je suis important...



岩陰を探し続けて5分くらい経った頃。


「なぁ。阿部。
2人で闇雲に探すより、玲や涼太に手伝ってもらったほうが早く見つかるんじゃないか?」

俺が阿部に提案した。


「嫌だ。」

「は?」

即答した阿部に思わず眉間にシワが寄った。

「嫌と言ったんだ。」

「なんでだよ?」

「自分で見つけたいからに決まってんだろ?」

理由を聞いた俺は呆れた。

「お前なぁ。プライドとかあるかもしんねぇけどな、もっと岩崎のこと考えてあげろよ。男に連れられて怖い思いしてんだぞ。もっと冷静になれ。」


俺の言葉を聞き、呆然と突っ立った阿部の左肩を軽く殴り

「先行っとくからな。」

そう言って玲たちののもとへ走った。



**


「お!悠太!何やってたんだよ!」


さっきまでいた女たちを巻いたようで、いなくなっていた。


「舞羽たちが男に連れられた。頼む一緒に探してくれ!」


玲たちに頭を下げた。


「頭あげなって!
連れられた!?一緒に探すよ!」


玲がギョッとして探してくれると言った。


「ありがとな。岩陰にいるらしい。」

「岩陰ね!手分けして探そうぜ!」


玲がそう言ってくれたことにより、涼太たちも探しに行ってくれた。


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