L'eau, je suis important...



「あれ?佐々木は?」


探しに行ったのは涼太だけで佐々木が見当たらなかった。


「さぁ?とにかく探そう!」

「あぁ。そうだな。」


人数が増え、更に岩陰を探した。


探し始めてすぐに、阿部から着信があった。


『愛華たちが見つかった。海の家の裏の岩陰だ。』

「本当か!?今から行く!」


近くを探していた玲を見つけて、声をかけた。


「おい、玲。
舞羽たち見つかったって!いくぞ!」


玲を連れて海の家の裏まで走った。



「舞羽!」


やっと見つかった舞羽は泣き跡があり、怯えているようだった。


「ゆ……た…くん?」


「そうだ。遅くなってすまねぇ。」


抱きしめようとしたら、舞羽の肩がビクッとなった。


「あ…ごめん…なさ…」

「いや、大丈夫だ。
2人で話せるか?」


俺の言葉に無言で頷いた。


「すまねぇ、玲。2人になりたいからちょっといくな。
あと、涼太と佐々木にも連絡しといてくれ。」


「りょーかい!」


敬礼をしてニカッと笑った。


暗い空気に明るい玲の返事は、この場を盛り上げてくれて嬉しかった。



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