L'eau, je suis important...
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「ん……」
目が覚めると、隣には雑誌を読んでいる舞羽がいた。
舞羽は雑誌に夢中で俺が起きたことに気づいていない。
何かイタズラしてぇな…。
何をしようか…。
そんなことを考えていた矢先、舞羽が口を開いた。
「カッコいいな……」
起きたことに気づかれたかと思い、舞羽を視線で追うと、舞羽は俺じゃなくて、雑誌を見ていた。
なんのページかと思い、雑誌を見ると、男性モデルが時計を際立たせるようにポーズを決めていた。
それに気づいた俺は、舞羽のほっぺを軽くつまんだ。
「おいおい舞羽さん?浮気ですか?」
冗談交じりに言った。
「しょんなわけないひゃん!(そんなわけないじゃん!)」
“違う”という言葉が聞けたので、すぐに手を離した。
「このモデルさん、悠太くんのように赤い目を持ってるから…。」
「本当か?」
「うん!ほら、ここにプロフィールがのってる」
指を指したところを見ると、プロフィールがのっていた。
そこには俺がもらった名刺と同じ事務所が書かれてあった。