L'eau, je suis important...



ーその日の夜。


「明日、浴衣で来るからな!」

「浴衣!?私も浴衣だよ!
楽しみだなぁ!」


有言実行で、帰ってから電話をずっと繋いでいる。


「舞羽の浴衣か!俺も楽しみだ」

「私のはあんまり期待しないで〜」


笑いながら言う舞羽。


「いや、期待してる」


「もぉ〜」


俺も笑って返すと軽く怒られた。


「来週は俺の家だな。」

「そう…だね…」


喋り方がゆっくりになってきてもしかしてと思った。


「舞羽、もしかして眠い?」

「ん〜?んーん」


あ、これ絶対眠いな。


そんな舞羽にフハッと笑ってしまった。


「舞羽?」

「………」


名前を呼んだけど、返事がない。


よく耳を澄ますと、スースーと寝息が聞こえた。


「舞羽、今日はありがとな。おやすみ」


そう言って、電話を切り、俺も眠りについた。



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