L'eau, je suis important...
炎龍に向ける冷たい視線。
阿部たちがまだ来ていないから、下っ端の奴らを目の敵にして、噂をしていた。
炎龍の奴らも下手に動けねぇんだろうな。
「ねぇ。悠太。
怒らないでね?」
「は?」
急に眉を下げて笑顔で言うと玲は教卓へ歩き出した。
それになんの違和感も持ってないクラスに奴らは、いつも通りザワザワしていた。
バンッ
玲が教卓を教科書で叩いた。
賑やかだったクラスは一気に静寂が包んだ。
「ねぇねぇ。みんなそんなに炎龍が好きなの?朝っぱらからよく、炎龍のことずーっと見てられるよね。
てかさぁ。何でそんな噂信じてんの?誰が書いたかもわかんないサイトを見て鵜呑みにするなんてどんなバカの集まりだよっ!
炎龍がさ、そんなことするわけ無いだろ!」
ニッコニコの笑顔で言い始めたと思いきや、最後にすっと笑みが消えた。
笑顔のときも目は笑ってなくて、明らかに怒りを示していた。
言いたいことを言った玲は満足したのか素の笑顔で帰ってきた。
「ただぁいまっ!」
「…おかえり。玲ナイス!」
玲は一瞬驚きを見せたが、ハイタッチをかわした。
「悠太。絶対怒ると思ったのになぁ。」
チェ〜っといいそうな勢いの拗ね方。